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Vol.16 ストレッチの効果とスポーツパフォーマンスへの影響【Part 2】

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athletic-training.hatenablog.com

 

前回のおさらい

 

1.筋肉の伸縮する仕組み

2.起始と停止

3.筋肉の役割

4.ストレッチの方法

 

以上を説明した。

今回は効果的なストレッチの時間、タイミング~パフォーマンスへの影響について書いていく。

 

1.効果的なストレッチの時間

今回はスタティックストレッチ(静的ストレッチ)に焦点を当てていこう。

スタティックストレッチの効果的なストレッチ時間は30~60秒だ。

私の体感では60秒~80秒程でも効果的にストレッチを行えると感じているが、一般的には30秒程度だろう。

では、何故30秒が効果的な時間となるのか。

それには伸張反射について理解する必要がある。

 

・伸張反射

筋肉は伸ばされる時に、それ以上伸ばされすぎて筋肉を傷つけないようにする防衛機能がある。

これを伸張反射と呼ぶ。

日常生活では例えば、電車や勉強中に眠くなったりした時に、倒れそうになっても急に身体が起きて元に戻る現象などだ。

この伸張反射という現象があるからこそ、そう簡単に怪我をしないようになっている。

 

しかし、そうなると今度は伸張反射に抗ってどうやってストレッチをすればいいのかという話になってくる。

それにはゴルジ腱反射というものを利用するのだ。

 

・ゴルジ腱反射

しっかり説明すると難しく、かなり長くなってしまうので端的に言おう。

ゴルジ腱反射とは、"ストレッチしている筋肉が限界まで伸びて縮もうと戻る機能を抑制する反射"のことである。

文字でみても分かりづらいと思うので絵で説明しよう。

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物凄く簡略化するとこんな感じだ。

実際はかなり難しい説明が入るので、詳しく知りたい人は参考書などを買うといい。

 

このゴルジ腱反射という現象、実は30秒以上筋肉が伸ばされ続ける状態を維持しなければ現れない。

つまり、前述した伸張反射を抑制し、更にストレッチをかけるには、30秒以上のストレッチ状態をキープする事が重要となるのである。

 

ちなみに様々な論文やストレッチ専門トレーナーなどが、20秒以上のストレッチと60秒のストレッチでは差はないと言っている記事などを見るが、私は全くそうは思わない。

長くなってしまうので、それはまた別の機会に書こう。

 

 

かなり長い説明となってしまったので今回はここまでにしよう。

次回、ストレッチのタイミング、パフォーマンスへの影響について書いていこうと思う。

 

鈴木 翔

 

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Vol.15 ストレッチの効果とスポーツパフォーマンスへの影響【Part 1】

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みなさんはストレッチについてどの程度知識があるだろうか。

ウォーミングアップの時にするといい、肩こりに効く、腰痛にいい…

ネットやテレビなどで様々な情報が流れている。

今回はスポーツにおけるストレッチの効果とパフォーマンスへの影響について話したいと思う。

 

1.筋肉が伸縮する仕組み

ストレッチとは言い換えれば筋肉を伸ばすこと。

筋肉を伸ばす事により可動域を広げ、怪我の予防になったり、パフォーマンスが向上する。

逆に筋力発揮(力を入れる事)では筋肉が収縮する。

 

  • 起始と停止

基礎的な知識として筋肉には必ず起始部、停止部というのがある。

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この起始部、停止部が近づく事が筋肉の収縮、逆に伸ばされて遠ざかる事が伸長(ストレッチ状態)となる。

 

  • 筋肉の役割

筋肉は縮むという動作しか出来ない。

そしてその縮むという動作は起始と停止を近づけて、関節を曲げたり伸ばしたりする役割をもつ。

関節の曲げ伸ばしを行うことで骨が動き、身体を動かすという作用をもたらす。

 

つまり筋肉の役割とは、関節の曲げ伸ばしを行い身体操作を行う事なのだ。

 

 

 

ストレッチの方法

  • 筋肉を伸ばす=起始と停止を遠ざける

起始と停止が近づく事が縮む動作なのならば、逆に起始と停止を遠ざければ筋肉は伸びるということになる。

ではどうすればいいだろうか。

先程の画像、モモ裏の筋肉、ハムストリングスで説明しよう。

 

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まずこの画像、青い丸で囲った筋肉がハムストリングスだ。

この筋肉を伸ばすには、2つの方法がある。

1つ目はこの画像の様に膝を伸ばす事。

2つ目は股関節を屈曲する(上半身と下半身を折り畳む)ことだ。

画像で説明しよう。

 

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最初のこの状態から

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このように股関節を屈曲する。

するとハムストリングスの起始と停止は遠ざかり、ストレッチの効果を得る事ができる。

これを分かりやすくすると下記の画像になる。

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このような形はよく見た事があるだろう。

だがこれをハムストリングスのストレッチだと認識してやっている人は意外と少ない。

よくジムなどでこの動作をやっている人を見かけるが、「それはどこを伸ばしているんですか?」と聞くと「よく分からない」と答える人が多い。

ストレッチを適当にやっている人間がいかに多いかというのがよく分かる。

 

一口にストレッチと言っても、どこを伸ばしているのか、その筋肉を伸ばしてどんな効果があるのかを理解しなければ折角キツイ思いをしてやっている事も無駄になってしまう。

そんな事にならないためにも、自分が今どこを伸ばしているのかくらいは理解するといいだろう。

 

 

 

次回は効果的なストレッチの時間、タイミング〜パフォーマンスへの影響について書いていく。

 

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鈴木 翔

 

Vol. 14 脚の速い人と遅い人の特徴と走りの技術

 

僕は中学校から高校生まで陸上部だった。

それと並行して、小1〜高校3年まで剣道もやっていた。

どちらも個人競技だったので自分で考え、自分でトライし、何度も失敗した。

その中で気付いた事が山程あった。

その1つとして脚の速い人、遅い人の特徴というのがある。

今回はそれを書き綴る。

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脚の速い人の特徴

これには大きく分けて2種類のタイプが存在する。

 

  1. とにかく筋力があってガタイがいい脚の速い人
  2. 身体は細いけど脚の速い人

 

僕は後者だった。

特に中学生くらいだとこの特徴は顕著に現れる。

 

筋力があって脚の速い人の特徴として、走り方が上手くない(走りの技術が低い)ということがある。

逆に細いけど速い人は、走り方が上手い傾向にある。

 

つまり両方兼ね備えた人間こそが日本代表レベル、世界レベルへと到達する。

 

そしてこの"走りの技術"を理解する事は、スプリント能力を大きく向上させるヒントになる。

 

 

走りの技術

ここで言う走りの技術とは、地面へ加えた力を効率よく推進力へと変えることである。

 

地面を蹴ったエネルギーはそのまま作用反作用の法則により、同じエネルギーが返ってくる。

仮に体重60kgの人間が100kgの力で地面を蹴ったとする。

すると、100kg分のエネルギーがそのまま身体に返ってくるので、【体重-反作用分のエネルギー】つまり-40kg分のエネルギーが身体へ返ってくる。

計算上マイナスの表記にしたが、マイナスのエネルギーというのは存在しないので、単純に40kg分のエネルギーが余っている状態だ。

つまり、その"余った力"こそが"推進力"となる。

図に表してみよう。

 

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ここでは40kg分の推進力が得られている。

だが走りの技術が有るか無いかでこの40kg分のエネルギーをそのまま使えるのか、それとも半減させてしまうのか、それが走りの技術の差である。

 

その技術を図で説明したものが下の図である。

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実際に進む力を(kg)の単位で表したが、分かりやすくするためなのでそこはご愛嬌。

要はどれくらいの力が推進力として使えているのかという話だ。

 

細かく文で説明してみよう。

走る際身体の中心よりも前に足が地面に着いた場合、それはほぼブレーキとなってしまう。

【推進力】-【ブレーキ】=実際に進む力となるので、①の場合【推進力40kg】-【ブレーキ20kg】=【実際に進む力20kg】となる。

②の場合、【推進力40kg】-【ブレーキ5kg】=【実際に進む力35kg】となる。

つまり、足を着く場所が身体の中心に近ければ近い程、ブレーキの力は0に近くなり、推進力を下げること無くそのまま前へ進む事が出来るのだ。

 

まとめ

今回はブレーキの観点でしか"走りの技術"を説明していないが、身体が細くて脚の速い人はこれが最初から上手く出来ているということだ。

これに筋力が付けば更にスプリント能力は向上するだろう。

 

逆に筋力はあるが走りの技術が無い人は今回説明した"走りの技術"を理解し、実践する事が出来れば、スプリント能力は大きく向上する事だろう。

 

 

他にも"走りの技術"という点では細かい要素、テクニックが沢山あるが、今回はここまで。

その他細かい指導等はメッセージやご予約などお待ちしております📩

 

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鈴木 翔

 

Vol.13 育成年代に多いケガ 〜腰椎ヘルニア編〜【PART 2】

こんにちは。

前回の分離症編から時間が経ってしまいました。

今回はヘルニア について書いていこうと思います。

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前回のあらすじ

 

  1. 背骨(椎骨)同士の間には椎間板というクッションがある。
  2. ヘルニアとは椎間板が突出・はみ出している状態。
  3. 椎間板がはみ出る事により神経を圧迫し、痛み・痺れが出現する。
  4. ヘルニアかどうか検査するのに"SLRテスト"というものがある。

 

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今回はヘルニアの予防法、改善法などを中心に書いていこう。

 

予防・改善

ヘルニアは背骨周りの筋肉(体幹筋)の使いすぎ、又は弱化が原因で椎間板が破綻してしまう事が多い。

つまり、体幹筋をバランス良く鍛えておけば基本的にはヘルニアにはならないと言い換えられる。

 

細かい事を言うともっと原因は様々あり、体幹筋を鍛えるだけでは足りない事もあるが、今回は"超基礎編"として体幹に着目して記事を書いていく。

 

予防・改善のトレーニン

様々あるトレーニングの中でも腹筋の種目と背筋の種目、それぞれ1種目ずつ紹介しよう。

 

①腹筋トレーニン

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ポイントとなるのは動きの速度、フォーム。

まずはとにかく丁寧に、ゆっくりとフォームを意識してやること。

脚を挙げる際は早く挙げ、下ろす際はゆっくりと。

挙げるのに1秒、挙げきったら一度止めて、下ろす時は3秒かけて下ろす。

 

気を付けたいのがこれをやる際に腰が痛くなる事だ。

実はこのトレーニング、強度としてはリハビリの中でもそこそこ高いレベルになるので注意しなければならない。

ポイントとなるのは脚を動かす際に腰が反らないようにする事だ。

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1枚目2枚目で姿勢が少し違うのが分かるだろうか。

赤い三角形は骨盤の傾きを示している。

骨盤がなるべく前傾しないよう、お腹に力を込める。

目線をおへその方へ向けながら行うと上半身が丸まりやすくなるので、腹筋にも力が入りやすくなるだろう。

 

繰り返しになるが、行う際は腰を反らさず行わないと腰を痛めてしまう。

注意して行おう。

 

②背筋トレーニン

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このトレーニングはデッドリフトという。

本来トレーニング愛好家やスポーツ選手が脚のトレーニングとして行う事が多いが、重量を調節すればリハビリにも応用出来る。

 

やり方は、まずバーをしっかり握り(順手)、腰が曲がらないように上半身を一直線にする。

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バーが床に対して垂直に動くようにして、身体を起こしながらバーを持ち上げる。

※この時も腰は曲がらないように気を付ける。

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ちなみにこのデッドリフトというトレーニング、トレーニング目的として行えばスプリント能力向上やジャンプ力向上も見込めるためかなりオススメのトレーニングである。

 

 

まとめ

今回紹介したのは以上の2つだが、人によってこの2つが合わない人もいるだろう。

その場合はまた別のトレーニング方法を考えるべきだ。

それでは今回のまとめをしよう。

 

  1. 予防、改善には体幹筋力を鍛える必要がある。
  2. 腹筋、背筋両方を鍛える必要がある。

 

以上だ。

今後の記事で更に深く掘り下げた内容も書いていくので、そちらも是非お読み下さい。

 

鈴木 翔

 

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Vol.12 育成年代に多いケガ 〜腰椎ヘルニア編〜 【PART 1】

 

今回はヘルニアについて。

育成年代、特にスポーツをしている子供にとっては頻度の高い怪我でもある。

これによりスポーツ活動を大きく制限されてしまう可能性もあるので、しっかり知識を身に付けて予防する事が重要だろう。

 

前回のおさらい

まずは前回の背骨の解剖のおさらい、そして椎間板について知る必要がある。

 

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まずは背骨のおさらいだ。

上から頸椎、胸椎、腰椎がある。

これらを構成する骨の事を椎骨という。

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この椎骨が重なり合って下の図のような形で背骨を構成していく。

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そして下の図の青くなっているところが椎間板だ。

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椎間板の役割

椎間板には骨同士の衝撃を和らげる役割がある。

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図に表すとこのような感じだ。

椎間板が上下からの衝撃を吸収し力を分散しているのが分かるだろう。

椎間板が無ければ骨同士がぶつかり、骨折の原因になったり、痛みの原因となる。

 

ヘルニアとは

ヘルニアは英語で、"Hernia"/突出・脱出、という意味を持つ。

つまり"椎間板ヘルニア"とは、"椎間板が突出した状態"ということだ。

これを図で表してみよう。

 

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正常な場合は上の図の通りだ。

では突出した状態はどうだろう。

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これがヘルニアだ。

だがこれだけでは痛みの原因になる事は少ない。

ではこれが痛みの原因になる機序を解説していこう。

 

ヘルニアの症状・痛みの発生原因

ヘルニアには痛みのあるものとないものがある。

それには神経が大きく関わっている。

下の図を見てみよう。

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これは椎間板に衝撃が加わった時の状態だ。

背骨の後ろ側(背中側)には神経が通っている。

正常な場合衝撃が加わっても神経に影響を及ぼす事はない。

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ヘルニアの場合には椎間板が突出してしまい、神経に触れてしまう。

神経は痛みや感覚を司るものなので、椎間板により神経を触れてしまうと痛みや痺れの原因となってしまう。

 

痛みや痺れが発生する場所は様々だが、多くの場合は腰の痛み、そして下肢の痺れが発生する。

 

簡単な検査

腰椎椎間板ヘルニアには誰でも簡単に出来る検査方法がある。

ただし、先に言っておくがこれだけで怪我の断定を素人が出来るものではないので、必ず病院へ行く事を勧める。

 

検査方法だが、名前を"SLRテスト"という。

やり方は簡単だ。

まず仰向けに寝っ転がり、膝を伸ばした状態で片脚を挙げていくというものだ。

図に表すとこうなる。

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ヘルニアの人はこの脚を挙げていく途中で腰や下肢の痛み、痺れが発生する。

ただし、先にも言ったがこれだけで100%断定出来るわけではないので、もしこれで痛みがあった場合は必ず病院を受診する事を勧める。

 

まとめ

  1. 背骨(椎骨)同士の間には椎間板というクッションがある。
  2. ヘルニアとは椎間板が突出、はみ出ている状態の事をいう。
  3. 椎間板がはみ出ることにより神経を圧迫し、痛み、痺れが出現する。
  4. ヘルニアかどうかを検査するのに"SLRテスト"というものがある。

 

今回はこの辺りで終わろう。

次回PART2では予防法などを解説していこう。

 

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鈴木 翔

 

 

 

Vol.11 育成年代に多いケガ 〜腰椎分離症編〜

 

 

育成年代に多いケガの中の一つとして腰のケガは外せないだろう。

更に腰のケガにもいくつか種類がある。

大まかに分けて3つにまとめてみた。

 

  • 腰椎椎間板ヘルニア(略称:ヘルニア)
  • 腰椎分離症(略称:分離症)
  • 筋筋膜性腰痛(原因不明の腰の痛み)

 

今回はこの中の一つ、分離症について解説していこう。

 

腰椎とは

いわゆる背骨の中の一つ。

背骨は上から順に頸椎(7コ)、胸椎(12コ)、腰椎(5コ)計24コの骨からなる。

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腰椎の役割

主に3つの役割がある。

  1. 身体を支える(支持機能)
  2. 身体を動かす(運動機能)
  3. 神経の保護(保護機能)

 

分離症とはこの3つのうちの支持機能が破綻した状態なのである。

 

分離症の病態

先ほども言ったが、分離症とは支持機能が破綻した状態である。

図で説明しよう。

 

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正常な腰椎と分離症の場合では一目見れば異常な箇所が分かるだろう。

そう、これは一言で言えば骨折なのだ。

何故骨折してしまうのか。

折れている箇所に目を向けて欲しい。

 

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折れているのはこの部分。

これは骨同士がぶつかり合う圧縮ストレスにより起こるものである。

 

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図に表すとこのような状態だ。

このようなストレスが繰り返すことにより、骨折してしまうのである。

過去の記事でも書いたが、いわゆる疲労骨折の状態だ。

 

分離症となる原因

これには大きく分けて2つの理由がある。

  1. 腹筋の筋力<背筋の筋力になっている。
  2. 腰への負担が多い動作(運動、スポーツ)をしている。

順に解説していこう。

 

腹筋と背筋は筋肉のバランス的に元々背筋の方が強い傾向にある。

これは筋肉の数の問題でもある。

下の写真を見て欲しい。

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それぞれ身体の背面、前面の筋肉を切り取ったものである。

本当は背面の方にはもっと細かい筋肉がたくさんあるのだが、載せきれないので大まかなところだけを載せた。

 

これだけを見ても、背中の筋肉の数がいかに前面よりも多いかが見て分かるだろう。

筋肉の数が多いということはそれだけ収縮力が強い、つまり腰で言うと"反り腰になりやすい"ということだ。

元々反り腰になりやすいので、そのままの状態で運動、スポーツをしてしまえば腰椎への負担が増え、骨折してしまう。

 

予防法

いわゆる体幹レーニングをする事が極めて重要である。

前にも書いた通り元々反り腰になりやすいので、それを予防するものとして腹筋のトレーニングは有効だろう。

しかし、これだけで100%改善するとは言えない。

 

なぜならば人それぞれ身体の特徴、姿勢が違うからだ。

病院だけで分離症が改善しない場合、個別でトレーナーや専門の病院へ行きみてもらうのが1番良い。

 

これをやれば100%改善する、というトレーニングや予防法は有り得ない。

その人それぞれの身体の特徴などを知るためにも専門の人間に見てもらい、自分の身体を更に知り、知識を深めていくことこそがアスリートにとっての最重要事項だと考える。

 

鈴木 翔

 

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Vol.10 オスグッドの原因と筋トレの関係 【Part 2】

 

前回ストレッチの方法を教えたので、今回はどれくらいやったらいいのかなどを説明していく。

 

 

効果的なストレッチの秒数

 

基本的には1度のストレッチで30秒と良く言われている。

ただし、これは筋肉が緩み始めるまでの時間なので、しっかりストレッチするには更に秒数をかけて伸ばす必要がある。

 

私がオススメするストレッチの秒数は最低1分間×3セットだ。

長いと思うかもしれないが、アスリート、スポーツ選手であるならばそれくらいやって当然だろう。

たった3分間ストレッチするだけでオスグッドが良くなるなら、接骨院に行って30分間マッサージを受けるより遥かにリーズナブルだし時間を有効活用出来る。

 

どの辺りまで伸ばすのか

 

ストレッチをする時のポイントとなるのが、"筋肉がしっかり伸び切るところまで伸ばすこと"だ。

ある程度伸びているだけでは効果としては50%くらいしか得られない。

本当に効果を得たいのであれば、少し痛みが伴うくらいの所で伸ばし続ける事が重要だ。

ただし、痛過ぎても効果は半減するので微細な加減が必要ではある。

もしその加減が分からないのであれば、トレーナーや接骨院の先生に指導してもらうのがいいだろう。

 

筋トレは悪?

 

さてここからがPart 2の本題である。

散々言われてきた"筋トレ=悪"の通説。

確かに育成年代、特に小学生、中学生にとって筋トレをする事は本来の成長の妨げになると言えなくもない。

ただしそれは、ストレッチなどのケアを怠っている場合のみだ。

 

Part 1で書いたように、"骨の成長スピード=筋肉の成長スピード"になればオスグッドにならないように、しっかりストレッチなどのケアをしていればいくら筋トレをしようが全く問題は無いのである。

 

よく、「筋トレをし過ぎると背が伸びなくなるからやらない。」、「小さい頃に筋トレをし過ぎたから背が伸びなかった。」、「筋トレをし過ぎたせいで膝を痛めた。」など、筋トレに対する悪説を吹聴して回る方がいる。

はっきり言ってその人達は、"自分がケアを怠っていたからこんな身体になってしまいました。"と、言っているようなものだ。

悪い事を自慢している中学生と同じ、痛い人間だと僕は思っている。

 

筋トレ=悪、なのではなく、筋トレだけをしてケアを怠る事=悪、なのである。

 

今後「筋トレをし過ぎたせいで〜…」と言っている人を見かけたら、生暖かい目で優しく見守ってあげるといいだろう。

恐らくそういう事を言う人は、自分の考え以外の事を受け付けないので話すだけ無駄である。

 

 

筋トレ=背が伸びなくなる理論

 

これもよく出回っているが、はっきり言ってこれも悪説だ。

そんな根拠は何一つ無いし、身長は99%遺伝でほぼ決まる。

細かい説明はまた別の機会に書いていくが、筋トレ=背が伸びなくなるというのも嘘なので信じなくていい。

 

まとめ

Part 1、2をまとめよう。

 

  • オスグッドは骨が筋肉に引っ張られる事で起きる成長痛である
  • オスグッドは筋肉をストレッチする事で容易に予防、改善出来る
  • ストレッチは最低1分間×3セット
  • 筋肉が伸び切るところまでしっかり伸ばす
  • 筋トレ=悪ではない
  • ケアを怠る事=悪である

 

以上だ。

正しい知識があれぼ容易に予防出来るケガはたくさんある。

オスグッドに対する正しい知識を得て、しっかり予防しよう。

 

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