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Vol.12 育成年代に多いケガ 〜腰椎ヘルニア編〜 【PART 1】

 

今回はヘルニアについて。

育成年代、特にスポーツをしている子供にとっては頻度の高い怪我でもある。

これによりスポーツ活動を大きく制限されてしまう可能性もあるので、しっかり知識を身に付けて予防する事が重要だろう。

 

前回のおさらい

まずは前回の背骨の解剖のおさらい、そして椎間板について知る必要がある。

 

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まずは背骨のおさらいだ。

上から頸椎、胸椎、腰椎がある。

これらを構成する骨の事を椎骨という。

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この椎骨が重なり合って下の図のような形で背骨を構成していく。

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そして下の図の青くなっているところが椎間板だ。

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椎間板の役割

椎間板には骨同士の衝撃を和らげる役割がある。

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図に表すとこのような感じだ。

椎間板が上下からの衝撃を吸収し力を分散しているのが分かるだろう。

椎間板が無ければ骨同士がぶつかり、骨折の原因になったり、痛みの原因となる。

 

ヘルニアとは

ヘルニアは英語で、"Hernia"/突出・脱出、という意味を持つ。

つまり"椎間板ヘルニア"とは、"椎間板が突出した状態"ということだ。

これを図で表してみよう。

 

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正常な場合は上の図の通りだ。

では突出した状態はどうだろう。

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これがヘルニアだ。

だがこれだけでは痛みの原因になる事は少ない。

ではこれが痛みの原因になる機序を解説していこう。

 

ヘルニアの症状・痛みの発生原因

ヘルニアには痛みのあるものとないものがある。

それには神経が大きく関わっている。

下の図を見てみよう。

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これは椎間板に衝撃が加わった時の状態だ。

背骨の後ろ側(背中側)には神経が通っている。

正常な場合衝撃が加わっても神経に影響を及ぼす事はない。

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ヘルニアの場合には椎間板が突出してしまい、神経に触れてしまう。

神経は痛みや感覚を司るものなので、椎間板により神経を触れてしまうと痛みや痺れの原因となってしまう。

 

痛みや痺れが発生する場所は様々だが、多くの場合は腰の痛み、そして下肢の痺れが発生する。

 

簡単な検査

腰椎椎間板ヘルニアには誰でも簡単に出来る検査方法がある。

ただし、先に言っておくがこれだけで怪我の断定を素人が出来るものではないので、必ず病院へ行く事を勧める。

 

検査方法だが、名前を"SLRテスト"という。

やり方は簡単だ。

まず仰向けに寝っ転がり、膝を伸ばした状態で片脚を挙げていくというものだ。

図に表すとこうなる。

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ヘルニアの人はこの脚を挙げていく途中で腰や下肢の痛み、痺れが発生する。

ただし、先にも言ったがこれだけで100%断定出来るわけではないので、もしこれで痛みがあった場合は必ず病院を受診する事を勧める。

 

まとめ

  1. 背骨(椎骨)同士の間には椎間板というクッションがある。
  2. ヘルニアとは椎間板が突出、はみ出ている状態の事をいう。
  3. 椎間板がはみ出ることにより神経を圧迫し、痛み、痺れが出現する。
  4. ヘルニアかどうかを検査するのに"SLRテスト"というものがある。

 

今回はこの辺りで終わろう。

次回PART2では予防法などを解説していこう。

 

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鈴木 翔