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Vol.1 足首周りの痛みとリハビリ

 

足関節。
足関節と聞いて一般の人ならまず足首、くるぶしの周辺を想像するだろう。
しかしスポーツ選手、アスリートであるならばそれだけではまだ足りない。
何故それだけでは足りないのか?
今回はそれについて書き綴る。

 

 


サッカー選手でよくあるの怪我の中に足関節の捻挫がある。
「プレイ中に足首を捻って痛めた」、「プレイ中は気付かなかったけど気付いたら足首が痛かった」。
選手からの言葉は様々だ。
「プレイ中に足首を捻った」
これについてはみんな容易に理解出来るだろう。
しかし問題なのは後者である。


「気付いたら足首が痛かった」
果たしてこれは本当に捻挫なのだろうか?

 


結論から言うと、この証言で多く当てはまるのが『長趾伸筋の炎症』である。
長趾伸筋とは何か。
簡潔に言うと足関節、足指を上げる筋肉である。
詳細は自分で調べるべし。


この怪我厄介なのが前述した通り、捻挫と曲解される事がある。
何故曲解されるのか、それは痛みの出る部位が似ているためだ。


捻挫でも長趾伸筋の炎症でも大体この辺りに痛みが出る。

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そして大体同じ動きで同じような痛みが発生する。
素人では判別が難しいであろう。
病院などに行っても、「軽い捻挫ですね、安静にしてれば大丈夫ですよ」と帰される事なんてざらにある。
※ちなみに医者をディスってるわけではない。
基本的に大体の怪我は安静にしていれば治ってしまう。
この2種類の怪我に関しても同じ事が言える。
つまり、ほっといても治る怪我に医者は時間を使えないのである。
大事なのは、どちらの怪我なのか、どうすれば早く治るのか、そして再発を防げるのかという事だ。


まずどちらの怪我なのか、これに関しては案外簡単に分かる方法がある。
足関節が90度の状態から痛みのある方の足の甲に自分の手などで抵抗をかけて、足関節が筋力によって耐えられるならば捻挫、耐えられず痛みが出るなら長趾伸筋炎の疑いが濃厚である。
どちらの怪我か分かったのならあとは治し方。
そしてより重要なのが再発予防の方法である。

 

 


キーワードは「伸ばす」、「縮める」。
今回は長趾伸筋炎についてのみ記述していく。

 

 


長趾伸筋炎は筋肉の炎症である。
発生原因の多くがインステップなどでボールを蹴る際の動作である。
長趾伸筋について調べトレーニングの知識があるものなら分かると思うが、インステップ動作でつま先を下に向けて足に重り(ボール)を当てるという動作は、長趾伸筋にとんでもないエキセントリックな負荷がかかる。
つまりインステップを練習しまくっている選手というのは、ほぼ必ずこの怪我にぶち当たる。


ではどうすればこの痛みを軽減し、早く治す事が出来るのか。
これについては、ひたすら伸ばす事が重要である。
長趾伸筋は足首、足指を上げる筋肉だと説明した。
伸ばすなら逆の事をすればいい。
伸ばす、より一般的な言い方をすればストレッチをする、という動作は基本的に伸ばしたい筋肉の機能と逆の事をすればいいのだ。


そして次に再発予防だ。
様々な方法があるが、今回はトレーニングを紹介しようと思う。
病院や接骨院などでよく紹介されるのがゴムチューブによるトレーニングだが、より強度を高める場合に僕が用いるのがプレートを用いたトレーニングだ。

 

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画像のようなスクワットの姿勢を作り、つま先に2.5kgプレートを乗せて耐えるというトレーニングだ。
まずはこの状態で30秒〜1分間耐えるトレーニングを行う。
1分間出来るようになれば足首周りの筋力はかなり向上するだろう。


そして冒頭で説明したように足関節というのは足首、くるぶし周辺だけ想像するのでは足りないと言った理由はここで理解出来る。
このトレーニングをやると分かるのだが、足関節の筋肉というのはふくらはぎや、脛の前側の筋力が非常に重要な役割を担っているということが分かる。
脛の前側は前脛骨筋や足趾伸筋群が集まっていて、これをトレーニングすることで足首の痛みを軽減出来る可能性が大いにあるのだ。
アスリート、スポーツ選手であるならばゴムチューブトレーニングをひたすらやっていれば良いわけではない。
足関節には何の筋肉が関わっているのか、何の筋肉をトレーニングし、それによってどんな効果が得られるのか、ストレッチをしてどんな効果が得られるのか、そこまで考えて身体のケアをしなければただの素人と同じである。
もっと上を目指すにはもっと自分の身体について理解するべきだ。


鈴木 翔