Vol.17 ストレッチの効果とスポーツパフォーマンスへの影響【Part 3】
athletic-training.hatenablog.com
前回のおさらい。
1.効果的なストレッチの時間
2.伸張反射
3.ゴルジ腱反射
以上を説明した。
今回はストレッチのタイミングとパフォーマンスへの影響について書いていく。
1.ストレッチのタイミング
ストレッチをするタイミングにも様々なタイミングがある。
ウォーミングアップ、クールダウン、お風呂上り、就寝前、etc...
スポーツパフォーマンスに影響を与えるという意味で今回はウォーミングアップにフォーカスして考えてみる。
・ウォーミングアップにおけるスタティックストレッチ
スタティックストレッチには副交感神経を優位にする効果がある。
だが試合、練習に臨むに当たって副交感神経を優位にさせてしまうことはマイナスの要素となり得る。
ならばどうすれば交感神経優位のままストレッチ効果を得られるのか。
それはストレッチをするタイミングなのだ。
先に答えを言っておくと、ウォーミングアップの前、つまりジョギングなどで身体を温めだす前にスタティックストレッチをやっておくと副交感神経優位にならずに済む。
ウォーミングアップでは身体を温めることだけでなく、交感神経を優位にしていく効果もあるのでストレッチは一番先にするのが最も効果的だろう。
さらに言えばこの時のスタティックストレッチで効果的なのが、前回の記事でも書いたゴルジ腱反射を利用したストレッチだ。
※詳しくは前回の記事参照
https://athletic-training.hatenablog.com/entry/2020/02/18/090032
ゴルジ腱反射を利用しスタティックストレッチを行い、その後にウォーミングアップを行うことでより効果的なストレッチとウォーミングアップの効果が得られるだろう。
2.ストレッチのパフォーマンスへの影響
次にストレッチのパフォーマンスへの影響についてだ。
試合直前、練習直前にウォーミングアップを終わらせた選手が股割りのようなスタティックストレッチをやっているところを目にするが、あれは全くの逆効果である。
副交感神経が優位に働いてしまい、十分な筋パワー発揮が出来なくなる。
その証拠にスタティックストレッチ後の筋パワー発揮を測定する検査などで、明らかに効果が減退しているという論文が多数ある。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/41/8/41_KJ00009647372/_pdf
この論文もその一つだ。
更に自分でも何度か試したことがあるがスタティックストレッチ後に、立ち幅跳び、垂直飛び、50m走、等々様々な種目でパフォーマンスがどのように変化するか検証したこともあるが、やはりどの種目も著しくパフォーマンスを落とす結果となった。
個人的に試しただけなので細かいデータを取っていなくて申し訳ないが、恐らく誰がやってもほぼ同じ結果になると言えるだろう。
気になる人は自分でも試してみるといい。
特に顕著に表れるのは50m走などだろう。
ただ、自分の身体としっかり対話出来るものならいいが、そうでない人がいきなり試そうとすると思わぬ怪我に繋がるので注意することだ。
・まとめ
今回3パートに分けてストレッチについて書いてきたが、実はまだまだストレッチに関しては書き足りないことが多い。
更には研究段階のことも多いのでストレッチはまだまだ奥が深い内容だ。
少しでもこれらの記事によって自分の知識として身に付け、実践してくれる者がいればありがたい。
今後も都度更新していく予定なので是非ご覧ください。
鈴木 翔
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