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Vol.6 思い込み 【Part 1】

 

怪我には様々な種類がある。

靭帯の損傷、半月板の損傷、骨折、肉離れ、打撲…

挙げだしたらキリがない。

大体の怪我は外的要因(事故などの接触)や内的要因(不良姿勢によるヘルニアなど)によって引き起こされる。

要は何らかの原因があった上で起こるのだ。

しかし今回話すのはそんな要因とは全く別の話。

 

 

これは私がドイツのサッカーチームで仕事をしていた時の話だ。

当時私はメディカルを担当していた。

選手がやってきては「カケル!膝が痛いんだ、どうにかしてくれ!」、「腰が痛くてシュートが打てないんだ!治してくれ!」なんて大雑把な要望に必死に応えていた。

まだドイツへ渡って1ヶ月もしていなかったのでドイツ語も全く分からず、英語も日常会話程度で専門用語なんて何も分からなかった。

そんな中である1人の選手がまた自分の元へやってきた。

 

「カケル、この間の試合で肩を痛めたんだ、診てくれ!」

私は要望に応えるため、あらゆる検査をして原因を割り出した。

結論から言うとその選手は上腕二頭筋の長頭腱炎だった。

原因が分かったら後はケアとリハビリだ。

「じゃあこれからケアをしよう。」

そう言って私は選手のケアを始めた。

そして気付いたことがある。

その選手、これでもかというくらい肩凝りが酷いのである。

思わず私は口走ってしまった。

「凄い肩凝りだな!ここ、痛くないのか?」

だが選手は「???」こんな表情である。

私の英語が通じなかったのかと思いネットで言葉を調べてドイツ語で言い直してみた。

だがそれでも通じない。

これは更なる語学の勉強が必要だと思った。

しかしそうではなかったのだ。

 

 

その日のケアを終え、家へ帰りネットを使い"肩凝り"というワードについて英語やドイツ語を調べてみた。

すると面白い事が分かった。

"肩凝り"というワード、海外では無い言葉なのである。

つまり日本独特の表現方法ということだ。

そうだったのかと納得し、次回選手に教えてやろうと思ってどうやって説明するか自分なりに訳したものをメモした。

そしてまたその選手と会話してみた。

拙い英語とドイツ語を用いてなんとか自分なりに納得出来る説明が出来た。

選手も「ふーん、そういう症状があるのか。」と納得していた。

だが、問題はここからであった。

 

 

後日その選手との会話。

カ「調子はどう?怪我は大分良くなって来たように見えるけど?」

選「ああ、怪我は大分良くなったよ。ありがとう。けどさ、この間話してた"肩凝り"ってやつ?あれの症状が出て来て困ってるんだ。」

 

肩凝りの症状が出始めた。

まあそりゃそうだよな、あんなに肩が硬ければとその時は思っていたがその後肩凝りについて調べていて驚きの事実を突きつけられる…

 

続きはPart 2へ

次回10/29更新予定

 

鈴木 翔